当財団は、各地方自治体の愛護センターにおいて飼い主のいない犬・猫に不妊・去勢手術が受けられる体制を要請します。
1:動物愛護センターでの無料で飼い主のいない犬猫の通年不妊去勢手術の実施
現在、飼い主のいない猫たちの不妊去勢手術の多くは、民間団体や個人に任されています。 自治体によっては助成金を出していますが、動物病院は自由診療のため元の不妊去勢手術費用が高く、また助成金を使うのであれば獣医師会員のクリニックでしか使えないケースも多い現状です。 民間に全て任せるのではなく動物愛護センターで一年を通じての不妊去勢手術ができる体制づくりは至極必要です。
2:動物愛護センターから保護犬・猫を譲渡する際、『不妊去勢手術』済は必須
保護犬・猫は、必ず不妊去勢手術を行った上で、譲渡対象とします。 譲渡先に行ってからの不妊去勢手術は、事情により行われない場合も考えられます。 譲渡対象は不妊去勢手術がされないで増えてしまった犬猫なので、譲渡側の責任上、不妊去勢手術をして里親に出すことは至極当然のことです。
3:獣医師の技術向上のための制度
各自治体の協力のもと、民間・専門獣医師によりレベルアップの為のトレーニングを受ける必要があります。
4:「センター職員の意欲を妨げるものはなにか?」について考えるべき
関東地方でさえ、いまだ野良犬の捕獲で忙殺され医療施設の確保どころではない愛護センターが有り驚かされます。
捕獲の大半の殺処分は、昔から現在に至るまで相も変わらず同じ単純作業の捕獲・殺処分のままで、どうすれば捕獲数が減らせるかの根本問題に考えが至っていません。
希望も将来の展望も見えない職務、この単純作業という感情を拒む作業が職員の仕事としてこれからも続くならば酷なことといわざるを得ません。
他県では犬猫の繁殖制限にシフトを移しつつ、捕獲・殺処分の減少も図り、住民からの苦情等を解決するための不妊去勢手術の有用性を説得する業務を職員は担っています。
熱意ある心ある職員の能力を将来につなげ有効に生かさないことは職員、住民、犬猫にとっても大変不幸なことと思います。
当財団は、動物行政が事後措置の殺処分、譲渡会から予防措置の不妊・去勢手術に舵をきるよう提言いたします。